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2011.04.18 (Mon)

バイオエタノール最前線

私が研究しているバイオエタノールですがついに世界初となる商業規模のセルロース由来エタノールプラントの建設が発表されました!!!


Novozymes partner to open world’s largest cellulosic ethanol plant in 2012


*補足
セルロースとは植物の細胞壁等の主成分で「食べられない」ものです。
なので食料とは競合しないという意義を持つ「セルロース由来のバイオエタノール」ということに注目が集まっています。
しかしこのセルロースの利用は食料となるようなでんぷんと比べると非常に難しいのです。



リンク先のHPはエタノールを作る会社(Mossi & Ghisolfi)ではなくてその会社に酵素を提供する会社(Novozymes)です。
私の今のテーマがその酵素開発なのでNovozymes社はずっとチェックしてたんですがついに商業用酵素が実践の場にでましたね。
もともと2012年を予定していたはずなので予定通りと言えば予定通りですがやはり興奮してしまいます。


今回の発表ですごいのははっきりと「ガソリンと比較しても価格競争力がある」と言っていることです。
セルロース由来のバイオエタノールって何が問題かというと「値段」だけなんですよ。
はっきりいって作るだけなら今までの技術で何とでもなるんですがどうしても「化石燃料」というライバルがいるので値段的に割に合わなかったんです。
そしてバイオエタノール生産にかかる費用のうちかなりの部分を占めるといわれていたのが酵素でこの開発にすごいお金が注ぎ込まれました。
そのお陰ですごい勢いで酵素の性能が上がり現在の商業用酵素開発に至ったわけです。


とここで冷静に戻ると企業からの発表なんて眉唾物なんで本当にそこまで価格が低減できているのかはわかりません。
しかし、やはり商業用スケールのプラントが動き出せば非常に現実味が増すことも事実です。
一バイオエタノール研究者としては応援してしまいます。


最近は原発問題のせいでクリーンエネルギーに再び注目が集まっています。
例えば太陽電池だったり、原発に代わる最大の注目株がガス発電だったりといろんな情報が飛び交っていますね。
正直、バイオエタノールは上記のような優秀なクリーンエネルギーには勝てないと思います。
バイオエタノールも植物由来なのである意味太陽電池と同じく太陽のエネルギーを利用しているわけですが残念ながら効率が足元にも及ばないのです。
植物は光合成を行って炭水化物、つまりセルロースなどを作りますがその利用効率は1~5%程度だと言われています。
それに対して太陽光発電は10~15%というから同じ太陽光由来でもなかなか難しいです。


しかし、バイオエタノールの最大の特徴は「モノ」であるということ。
太陽光発電はあくまで「発電専門家」なのに対してエタノールという有機化合物ならではの使い方があります。
ガソリンに混ぜても良し、他の物質に変換して付加価値の高い製品にしても良し、化石燃料そのものと代替できる可能性があります。
現時点では例えガソリンと価格がバランスしだしたといっても化石燃料全体としては敵わないでしょう。
それでも「化石燃料以外の選択肢を持つ」こと自体はとても意義のあることだと思います。


これだけ書いておきながらそれでもセルロース由来のバイオエタノールが活躍する時代が来るのかは正直わかりません。
それでも1つのチャレンジが商業規模、つまり社会へ直接関われるようになったことを嬉しく思います。
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