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2011.02.06 (Sun)

日本企業システムと国際社会のギャップ

今回はニュースより。
いかにもピンボケな提案がありました。


“徒弟制度”や修士論文の廃止求める 大学院博士課程で中教審答申


この制度はリンク先の情報によると下記のような狙いがあります。


博士課程修了者が民間企業で敬遠される傾向があり、国際社会で活躍できる人材育成も不十分という批判が出ていることから、幅広い分野の研究をさせることで、企業などが求める人材育成を目指す。


これそもそも前提がおかしいということをどれだけの人が理解しているか心配です。
博士が民間で敬遠される理由と国際社会で活躍できる人材育成は日本ではまったくイコールにならないというのを知っているでしょうか。
日本の新卒市場で一番欲しがられる人間は「元気で明るくて高学歴な何もない人」です。
その何もない人を一から企業で育ててまさに自分色に染めていくのが日本企業のスタイルです。
そのため日本企業で育てられた人材はその企業でしか通じない能力である「企業特殊能力」が伸びていきます。
具体的には社内調整だったりその企業で長年積み重なったハウツーを駆使して戦略・実効していくことです。
そういう能力は他の企業に移ると使えないため「企業特殊能力」と呼ばれるのです。


この日本企業の戦略は「終身雇用」「年功序列」という制度にばっちりフィットするように作られています。
簡単に言うと終身雇用なのでその企業にだけいればいいから企業特殊能力でも問題ないのです。
そして年功序列という給与体系は要は「若いうちは企業に貯金して歳をとったら返してもらう」というシステムであり、ずっと同じ企業で働かせるためのシステムでもあるのです。
これらの結果日本企業の人材の流動性が恐ろしく低い(つまり途中で出たり入ったりが少ない)ために専門家ではなく「なんでも屋」に育てます。
人材に空きがでたら専門だろうと専門外だろうと関係なく働いてくれないと困るからで、日本独特の無茶な転勤・単身赴任などはその結果起きる世界でも稀なシステムです。


んで話を戻すとなんで企業が博士を嫌がるかはこのシステムに全然マッチしないからです。
「若いうち」に企業色に染めて安い賃金でガンガン働かせてなんでも屋を育てるシステムなのに、博士は専門性が確立しててすでに歳もけっこういっている、もう最悪なわけです。


じゃあ次は「国際社会で活躍」という点でみるとどうでしょう。
実はこれが日本の企業システムの真逆で世界的には今回のような理系職の場合私のような「修士」ではなく「博士」ではないと話になりません。
「博士」こそ理系職の通行手形であり専門性こそ命です(ただし修士にまったく可能性がないわけではないようですがポジションは低いみたい)。
そして日本の転職者は約3%で推移していますがアメリカではその10倍の30%はあったはずなので人材の流動性が非常に高く欲しい専門家をその時その時で雇います。
つまり世界が欲しいのはなんでも屋ではなく「専門家」なのです。
幅広い分野の研究なんてのは「深い専門性」を持ってる人のプラスアルファに他なりません。
というよりアメリカの研究者は工学系で博士をとって生物系に移る人もかなりいるので前提は「何か1つの分野を深く修めたかどうか」が問題になるのです。
それさえあれば逆にその後どれだけでも世界は広がるということですね。


とういわけで今回の答申がいかにピンとはずれかわかっていただけたでしょうか。
ただし、上記した日本企業システムは明らかに機能しなくなっているので我々の世代はだんだんと「専門性」にシフトしていくと思います。
なので現在博士の方はだんだんと働きやすい環境になるのではないでしょうか。
博士にアドバイスするとすれば博士課程で納めた分野とは違う分野にポスドクでいくと良いでしょう。
逆に専門性が何もない人は近い将来仕事を他の国(インドや中国)に奪われる可能性が非常に大きくなっています。
しかし、グローバル化の流れはそれが良い悪いの問題ではなく確実に起きている「現象」なので気持ちの上でも実際の問題としても早めに受け入れたほうがよいですよ。
少なくとも日本人の仕事がゼロになることはありえないのですからどんな職種でも将来を見据えながら真摯に働くのが王道だと思います。


日本の大学の問題はそんなことではなくて教授陣が世間知らずで一度なったもん勝ちなのが一番の問題だと思うけどこの話はまた次の機会ということで。
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11:58  |  社会・政治  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

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