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2010.11.03 (Wed)

司法と感情の境界線

死刑に関する問題はやっぱり結論を出すのが難しいですがやはりこういうニュースを見るとこの結論が正しいのが強く疑問に思ってしまいます。


林被告に無期懲役…「極刑に値するほど悪質とはいえない」裁判員制度初の死刑回避


東京都港区で昨年8月、耳かき店店員、江尻美保さん=当時(21)=と祖母の無職、鈴木芳江さん=同(78)=が殺害された事件で、殺人罪などに問われた元会社員、林貢二被告(42)の判決公判が1日、東京地裁で開かれ、若園敦雄裁判長は「身勝手で短絡的な動機に基づく犯行だが、極刑に値するほど悪質なものとはいえない」などとして無期懲役の判決を言い渡した。

鈴木さんの殺害については「残虐ではあるが計画性のない偶発的なもの」とした。反省の度合いについては「被告は深く後悔し、被告なりに反省もしている」とした。

そのうえで「犯行に至った経緯は極刑に値するほど悪質ではない。遺族が強い怒りを覚えるのは当然だが、被告なりに反省の態度を示していることは考慮すべきだ」として死刑を回避した。



私がこの判決に疑問を感じる最大の点は「極刑に値するほど悪質ではない」と「反省の態度を示していることは考慮すべきだ」という2点です。


まずこの判決からは日本の司法判断は「被害者に落ち度がない場合で人を2人も殺めても死刑にはならない」ということになったと思います。
単純にこの判決が殺人を助長する結果になるとは考えませんが少なくとも死刑制度の存在による殺人事件の回避には繋がらないでしょう。
恐らくこの事件では99%冤罪ではない(そういう論点は出ていないため)と考えると死刑による冤罪の問題も回避できるわけであり死刑の適応がまさに適切だと思うのです。

この結果を受けて「裁判員制度により懸念される感情からの判断ではなく司法としての判断が下された」と良い評価を与える人もいます。
確かに「司法による判断」を徹底して貫くことが法治国家では大切だと思うのでその点では同感です。
ただし、この「司法判断」そのものを見直すことも必要ではないでしょうか。
現在の科学捜査のレベルは昔に比べてかなり上昇しているため物的証拠も多く提出できるようになるでしょう。
そうなった場合、人間がやることなので100%はないでしょうが99%冤罪がないとわかっている場合は死刑判決も無期懲役と同じように扱えるのではないでしょうか。


もう1つの問題点「反省」についてです。
「感情からの判断ではなく司法としての判断」と上記しましたがこの「反省」に関しては「感情の判断」といわざるを得ません。
「反省」というものを定量化できるならば別ですが「証拠」などと違って物質的に表せるものでもありませんし非常にあやふやです。
何より自分の死がせまっているのですから中身が伴ってなくても必死で反省するでしょう。
その命がけの「演技」(仮に演技してるとします)を本当に見抜けるかは誰にもわかりません。

その点に関してはこの本が参考になります。


今回の加害者が本に当てはまるとは判断できませんが殺人事件を起こす人間の反省のなさが浮き彫りになっています。
実際に刑務所でルポを続けたこの本は机上の理論よりもずっと説得力があると思います。

そしてこういった理屈以上に「人を殺して反省なんて当たり前すぎる」という思いが強いです。
そんな当たり前のことをして罰を逃れられるならいくらでも反省するでしょう。
何よりもし本当に反省しているなら何の罪もない被害者を殺して自分は死刑を逃れたいとは思わないです。
むしろ積極的に死刑を望む姿にこそ反省を感じられるというものです。


この2点より今回の無期判決には反対です。
十分に悪質であると言える材料はあるにも関わらず無期判決を下した判断は司法が十分に機能していないとも捉えることができます。
この事件をもとに「死刑制度」に関する議論が深まることを願います。

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