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2010.10.28 (Thu)

バイオエタノール

久々に専門ストライクのエントリーを書いて見ます。
書くきっかけになったニュースはこちら。


稲わらを原料としたバイオエタノール 川崎重工が製造に成功


川崎重工業は6日、同社の熱水式バイオエタノール製造技術を活用、稲わらを原料とした自動車燃料として使用可能なバイオエタノールの製造に成功したと発表した。
同社は昨年11月に、秋田県潟上市に日産200リットルの生産能力を持つ製造実証プラントを設計・建設し、バイオエタノールを製造している。
同社は、このプラントで2012年度まで製造コストの低減を目指した実証試験を継続する。商用化に向けて1リットルあたり40円以下の製造コストを目指す。



このニュース自体に突っ込むところはないのですがYahoo!ニュースのコメントいくつか気になるものがありました。

このような技術開発は国費で対応するべきです。1兆円ほども投入して優秀な研究機関や企業には100億円単位のお金を授与する方法がいいと思います。ノーベル賞学者も言っていましたが、人材だけが財産の国です。お金は惜しみなく研究につぎ込んでほしい。その原資は公務員の半減と公務員給料の半減!都合1/4にすれば簡単に出ます。公務員は本当に半分で十二分なのです。当人にとってはたいへんですが、犠牲を出さなければ進歩はありません。思い切ってください。そして諦めてください。


たぶんこの人は最終的に公務員批判がしたいだけなんだろうなぁ~と思いつつつっこみたい。

まず「このような技術開発は国費で対応すべきです」っていきなりあるけどなぜこの結論に至ったんでしょうか。
普通逆の発想で「国が関わる産業は必ず廃れるから市場にまかせるべき」ってのが一般的だと思うんですけどね。
参考例:官僚たちの夏
実際私は国のプロジェクトに関わってるけれど無駄だらけで「研究を仕事にするために研究してる研究者が群がっている」という感覚はぬぐいきれません。
民間出身の上司は「産業をする感覚がまるでない」といつもプロジェクトに対して愚痴をこぼしています。
こういう産業に直接関わるような技術開発は断然民間に任せるべきです。


また「お金は惜しみなく研究につぎ込んでほしい」とありますがこの発想も単純すぎます。
確かに研究にお金は必要であり、アメリカの予算と比べると1桁も2桁も違うのが実情です。
しかしそれはある種アメリカの国策である「世界中から天才達を集めた結果」であるわけで今の日本のシステムのまま研究費を増やしても「研究で食べていきたいだけの研究者」が増えるだけでしょう。
実際に上記のようになっているわけでただお金をつぎ込めばよいというわけでなく「システム」そのものにメスを入れる必要があります。
むしろ研究費が今のままいたずらに増えれば例のごとく「利権」にむさぼる人間達が現れても不思議ではありません。


日本の技術ってやっぱすごいなぁ


このコメントも残念ながらまったく的外れなものです。
日本のバイオエタノール技術はむしろ圧倒的に遅れています。
一番利用しているのが私の認識ではブラジルですがとっくの昔に100%エタノールの燃料で走る車があるはずです。
アメリカでも今はむしろ廃れていますがどんどんベンチャーが出来ていました。
なぜかというとそれは「バイオエタノールを作ること自体は簡単だから」です。
バイオエタノールっていうとなんだか凄いものに聞こえますがお酒もエタノールであり基本的な技術は同じです。
何が難しいかというと「値段を下げる」のが難しいのであって技術そのものはまったくたいしたことはありません。
なので実際に低コストでバイオエタノールを実現させた場合のみ「日本の技術はすごい」ということになります。
しかし、残念ながら現在でも「40円/リッター」を「目指している段階」なのでまだ凄いとは言えないのが現実であります。


この燃料こそが誰もが今すぐ実現できるエコですね。。。


このコメントも残念ながら現状ではそういいきれません。
バイオエタノールは植物から作るためそれを燃やしてもまた植物に変換される「炭素循環」が取り上げられますが大きな誤解といえます。
なぜならバイオエタノール作成時には当然電力を使うからです。
そして、その電力は地域によるかもしれませんが化石燃料由来である可能性は高いでしょう。
そして象徴的な出来事としてこのような出来事も起きました。
ある学会でバイオエタノールの日本の権威のような人が

「太陽光などのほかの新エネルギー技術が発達してきている今、バイオエタノールの開発にどれほど意味があるのか!」

と厳しく指摘をされてマゴマゴとしか返せない現状があります。
つまりやってる本人も本気で「環境のため」とか考えていないわけです。
これを責めるつもりはまったくなくて、現状では「環境のため」といわなければ「予算がとれない」ことそのものが問題だと思います。



このように「バイオエタノール」に関する誤解は大きいもののように感じます。
残念ながらエコでも日本の技術が凄いわけでも金を費やせばより良くなるわけでもないとは思います。
といってもこの研究そのものに意味がないとはまったく思いません。
新エネルギーが多く開発されるものの「エネルギー資源の選択肢」を持つことは非常に大事なことだと思います。
このまま研究を続ければかならず石油と値段的にバランスがとれる時代は来るでしょうからその時にこそ意味があるのでしょう。
またバイオエタノールの肝である「糖変換技術」もこれから役に立つ時代がくるのではないでしょうか。
そういうことを願わないと研究する意味がありませんからね。
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