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2010.08.07 (Sat)

研究とビジネスの架け橋

1週間くらい前になりますがとある学会でポスター発表してきました。
そして、なんとその発表にポスター賞をいただきました!
期待はしたけど予想はしてなかったことなどでかなり驚くとともに嬉しすぎてあんなにドキドキしたのは久しぶりです。
期待はしたけど予想してなかった理由は「応用」という側面からすればそれなりの成果だと自負しているけれど「学術」という側面からはなかなか厳しいと思ったからです。
たぶん普通の大きな学会だったら賞は絶対に取れなかっただろうと思います。


そして今日書きたいのはこの「応用」と「学術」ということに関する問題です。
ここでいう「応用」の定義は「実際にその技術を使うために行う研究」で、「学術」とは「論文・学会発表をするための研究」ということです。
そして、私が今携わるプロジェクトは最終的に応用を目指しているものですが、大学・公的研究機関も多くプロジェクトに参加しているので学術的な側面ももっています。
そして、この2つがあまりにも相反していることに非常に疑問を感じているのです。


このことはもう昔からあることなのかもしれませんがやはり実際にそういう場面に直面すると困惑するものですね。
例えば酵素を「酵素学」に則って出した値(例えばKm、Vmax、Kiなどなど)から考えられる特徴と、それを実際に近い条件での反応(基質濃度や反応時間などなど)がリンクしない結果がでたとします。
しかし、学術をメインにする参画機関はそれでも酵素学の結果にこだわるため会議でも議論が平行線をたどってしまいます。
でもそれはある意味しょうがないのかもしれません。
なぜなら学術で食べてる人はそれを否定されてしまうと参画することに意味がなくなるためもし気づいていたとしてもそれを認めるわけにはいきません。


今回のポスター発表ではその弊害がさらに大きくでたと感じました。
学術の側面で研究を進めると起きていることが様々なデータで定量的に把握できていることが重要となります。
しかし、今のプロジェクトでは複合酵素が研究テーマであり、さらに基質も不溶性なので全体像の把握は非常に複雑です。
なので多くの学術研究は複合酵素をばらして研究します。
しかし、そのバラバラになった状態の酵素は実際に使用する酵素とは大きくかけ離れた状態なのですがそういう観点での見方がほとんどありませんでした。
その反対に応用をメインとする私が所属する機関はとにかく実際に使えるデータがでてこないと意味がないので複合酵素を実際に用いる不溶性基質を用いて研究を進めました。
その結果、完全な後発研究であるにも関わらず今まで分からなかったデータがでて今回に至るということです。
決して綺麗なデータとはいえませんがそれでも今までこの分野では出てこなかった「実際に働く状態」に関する研究成果が出たわけです。


このように考えると応用をメインにしているプロジェクトに大学・公的研究機関が参画することにどの程度意味があるのかと疑問に思えます。
学術に関する必要な情報は論文や学会で収集できますし、さらには訪問して話を聞けばいいこだけのことです。
まったく目的が異なる集団を混合して本当にシナジーを示せるのか…私には不可能であると考えざるを得ません。
といってもまったくのゼロからスタートするのはより大変ですので大学・研究機関はターゲットとする分野に精通する1機関をメインにしながら進めるのがもっとも効果的だと思います。


今回のエントリーでは学術を否定するような書き方になりましたが決して否定しているわけではありません。
ただ、学術から応用への側面があまりになさ過ぎることを言いたかったのです。
私が尊敬するクレイグ・ベンター氏なんかは研究者というよりほとんど企業家という方ですが日本でももうちょっとそういう人物が現れてもいいんじゃないかと思うわけです。
研究分野に精通する一方、それをしっかり「利益を出せる」ものにできるビジネスセンスを持った人、またはその架け橋をする人が現れてもいいのではと。
もちろん、そういう方も著名な研究者でいますがやはりビジネスの世界を知らなさ過ぎる方が多いと思うからです。
少し前に仕分けで研究分野への削減が注目されましたが、そういう上辺だけを議論するのでなくこのようなことに対する問題定義をもっと公にすればよい方向へと向かうのではないかと思います。
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