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2010.07.25 (Sun)

バイオベンチャーの1例

先日学会に行ってきたのですが、その懇親会で非常に刺激的な話を聞きました。
それはとあるベンチャーで働いている研究者の話です。
そしてそのベンチャーを起こした社長に関する話に非常に刺激を受けたのでご紹介します。


その方が勤めるベンチャー企業の社長が26歳ととんでも若い!
これがIT系のベンチャーならよくある話ですがバイオ系でこの年齢は正直聞いたことがありません。
そこで色々話を伺うと決して「バイオ系」を狙ったわけではなく縁があってバイオ系になったようです。


その会社の発端は学生時代だそうです。
いまや学生ベンチャーというのは珍しくないのかもしれませんがこれもバイオ系に限ればかなり珍しいと思います。
いつか起業をしたいと思っていたその方に確か教授だったと思うのですが声をかけてアイデアをあげて「やってみろ」と立ち上げたそうです。
っといってもその話は構想だけで終わったとのことですが、その後の展開がすごい!
その方は社長をやるだけあって話術がすごいそうで、どういう経緯かは知りませんが某会社の社長とタッグでベンチャーを立ち上げることに成功しました。
ここで面白いのは「何も売るものがないけどとりあえず会社を立ち上げた」そうです。
こんな起業の仕方は無謀だと思うかもしれませんが、ベンチャーに挑戦する気概のある人物というのは得てしてこういうとんでもない行動力の持ち主だったりするのでしょう。
そうして、とりあえず某会社の製品を違う形で売ったりしながらアイデアを求めてさらに商品開発したりと進めてきたそうです。
今回の学会で紹介された商品は100mgで15万くらいする高価な試薬ですがバンバン注文が来ているそうですよ。


ただ1つ残念な話を聞きました。
ベンチャーの立ち上げには資金繰りが重要になりますがそこで活躍するのがベンチャーキャピタルと呼ばれるものです。

ベンチャーキャピタルとは…
ベンチャーキャピタル(venture capital、略称VC)とは、ハイリターンを狙ったアグレッシブな投資を行う、投資会社(投資ファンド)の事。主に高い成長率を有する未上場企業に対して投資を行う。彼らは、資金を投下するのと同時に、経営コンサルティングを行い、投資先企業の価値向上を図る。 担当者が取締役会等にも参加し、経営陣に対して多岐にわたる指導を行う。
Wikipediaより

アメリカではこのVCが非常に発達していてるためベンチャーが挑戦しやすい環境の一因となっているそうです。
そして日本のVCは非常に弱いという話を聞いていたので実際のところを聞いてみました。
すると意外な返事がかえってきて日本のVCはその道の人が関わっているためあまり関わりたくないのだとか…。
数年前の好景気のときにVCの資金を使って起業した人が今になって不況のあおりを受けてその道の人達に追われているという話があるそうです…。
これにどれほど信憑性がある話かわからないのですが実際に起業のスタートアップから関わっていた人の話なので説得力もあります。
もし本当なら非常に悲しい事態ですね。
本来VCの儲けというのは10投資して1のリターンで全体の損失をまかなうということですから、日本のVCはその本質から外れた存在ということになります。
こういう利益の上げ方をするからこそリスクに挑戦できるのにこれではVCから資金を借りて企業することはとんでもないリスクになってしまいます。
ちなみにその会社は上記した某会社から資金を借りているそうで、もっともリスクが少ない手段をとっているそうです。
やはり起業することが人生の一か八かになっているような国には未来はありませんよね。


とにかく今回はベンチャーの現場の生の意見が聞けてとても有意義でした。
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