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2009.11.22 (Sun)

「即戦力」は会社を潰す?に対する反論

ちょっと不愉快なエントリーがあったのでしっかり反論しときたいと思います。


「即戦力」は会社を潰す? 〜『「即戦力」に頼る会社は必ずダメになる 』


 「すぐに成果をあげる社員がほしい」「仕事を教えなくても自分の力で成果をあげる社員がほしい」。目の前の利益を効率よく上げることにとらわれてしまった多くの経営者が「即戦力」を求めるようになりました。気がつけば、新卒を採用して育てるという気の長い企業努力より、すぐ使える「派遣社員」や「中途採用者」を安易に雇い、成果を上げようとする発想に日本全体が傾いていました。しかし、これらの会社は、業績悪化の負のスパイラルから抜け出せなくなっていると、人事コンサルタントの松本順市さんは指摘しています。

 一つの例として、派遣社員は「自分に与えられた仕事をこなしておけばいいや」というメンタルに陥りやすく、会社全体で売り上げを伸ばすことにさほど一生懸命になりません。しかし正社員であれば、会社全体として成果を上げる方法を社員同士教え合い、智恵を絞り出し合います。





最初に述べておきますが、あくまでこの記事に書かれている内容であって本についての反論ではないのであしからず。
読んでもない本については批判できないですからね。


ってわけであくまで記事の内容についての反論ですが、まず前提条件がおかしい。
「即戦力」を議題としてあげているのにいつのまにか「派遣社員に限定している」というところが不誠実だなと感じます。
即戦力を求めるだけなら「転職」もその範疇にはいるので正社員も対象になるはずです。
しかし、勝手に派遣社員に限定し、さらにその業界を批判しています。
もし派遣事業が今のように認められなければ賃金の高い正社員を回避し海外へと労働力を求めたことは確実であり失業率は昨今のレベルまで抑えることができなかったでしょう。
そういう議論を置いておいてのこの展開はちょっと乱暴ですね。

さらに許せないのは
>派遣社員は「自分に与えられた仕事をこなしておけばいいや」というメンタルに陥りやすく、会社全体で売り上げを伸ばすことにさほど一生懸命になりません。
という指摘です。
これはむしろ使う側の問題で、派遣社員を評価するシステムがしっかりしていればこんな問題は起きないでしょう。
「派遣された会社に利益を与える人間を評価する」システムがきっちり整っていればこんなことは傾向としておきません。
というか、本当にこういう傾向が強いのかどうかもそもそも疑問です。
この記事を読んでいると「正社員は全員やる気があり会社のために働くが、派遣社員はあまり一生懸命働かない」と言っているようにとれます。
しかし、こんなことは絶対にないことは多くの人が知っている通りで、不真面目な正社員も真面目な派遣社員も多くいるのが現実でしょう。


この記事からは完全に「会社システムの欠陥」という視点がすっぽりと抜け落ちています。
今まで年功序列でやってきた日本の多くの会社は「人材を評価する」という当たり前の視点が抜け落ちているのです。
もちろん、部長や役員クラスになるとそうでもないのですが一般社員の評価はほとんど抜け落ちているでしょう。
そんな中で短期的な人材を雇ってもうまく使えるわけがない、そのことこそを指摘するべきです。


そもそも「労働力とは売り物」です。
これはむしろ当たり前であり、自分の労働力を会社に売って賃金を得ているのが本来の姿だと自分は思います。
しかし、日本のように異常な法的正社員保護の状態では「正社員は会社にいるだけでお金をもらって当たり前」ということになっているのでしょう。
そうではなく、「働く人はその人がどういう労働を行ったか」つまり「職務給」にしないといつまでも労働者のける階級社会(正社員と非正規・派遣社員)はなくならいでしょう。



なんとうか日本はとことん「システムからの視点」が欠如しているですね。
あくまで「今までのやり方」を変えずに新しい考えを入れようとするから話が無茶苦茶になるわけです。
そりゃ中国にもGDPが追い抜かれるってわけだ。
こういう記事を読んで間に受ける人がいないことを祈ります。
20:17  |  経済  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2009.11.21 (Sat)

本流から外れるということ

シリーズ「特定派遣」


今日は「実力主義の現場特有の悩み」と言えるものを書いてみます。


特定派遣の仕事として「期間限定プロジェクト」というようなものがあります。
これは研究機関や企業で新しく何かを始める際に社内では人材が足りないため派遣社員を利用するというものです。
どちらかというと派遣の仕事としては高度なレベルを求められるものではないでしょうか。
通常の派遣、すなわちすでにある程度完成された仕事に対して振り分けられるのではなく企業・研究機関としても新しいことに挑戦するため、その成功は集められたメンバーのレベルに大きく左右されます。
もともと成功する見込みが少ないことが多いため人材に求めるレベルも高くなる傾向があるでしょう。
なんて書いてみましたが実際には少しの面接でその人の実力がわかるわけもなく、どちらかというとその人が行って切った研究スキルとのマッチングで人材が選ばれることが多いです。
酵素精製のプロが欲しいとなればその業務に長く就いている人、分析のプロが欲しいとなれば分析を長くやってきた人、といった具合です。
自分の場合もまさにそれで「生産レベルに近い物量を研究レベルで扱っていた」というのが選考理由として大きかったと思います。
たまたま前の派遣先は研究所なのに3000Lの培養槽を持っていたことが大きかったみたいですね。


そして、この「期間限定」は多くの場合「実力主義」の傾向が強くでます。
なぜならその期間が終われば解散になるため(もちろん継続の可能性はありますが)年齢にこだわる必要性がほとんどないためです。
集まったメンバーもその時必要なスキルを持った人なので年齢は関係ありません。
さらに往々にして少人数なのでとにかく一人一人の能力が律速になったり、逆にプロジェクトを推し進める結果となったりします。
なので今の現場はボスを除いて30代前半、20代後半、20代中盤の3世代で構成されていますが、取り仕切っているのは20代後半組です。
そして、その結果新たな問題が発生しました…。


その問題を説明する前に上司から聞いた話を書きます。
その話はメーカーでの話ですが「本流からそれたところで仕事をする人間の扱いは難しい」ということです。
これはどういうことかというと、メーカーには主力製品とその他の製品がありますが、主力製品に関わる人達は当然意気揚々としプライドを持って仕事をしています。
しかし本流から外れた人達は「外れている」ということを感じるためなかなかプライドをもって仕事に取り組めないというのです。
まだまだ若僧の自分は「なるほどな〜」程度に話を聞いていました。
しかし、上記した問題はまさにこの話であり、実際に起きてしまったのです…。


上記したように30代組がいるなかで20代後半組みが仕切っているのが現状です。
そうしたなかで30代組の1人が完全に「腐った状態」になってしまいました。
仕事に対するやる気が感じられず、他のメンバーとも意思疎通が全くできておらず、最近ではボスとのやりとりも感じが悪い…。
もともとプライドが高い人なので年下に美味しい所を持っていかれるのが許せないのでしょうか、とにかく非常に悪い雰囲気が漂っています。
しかし、少人数でやっているためこの問題を放置しておくと後々大きな問題を抱えることになるのではないかと非常に危惧しています。
まだこの問題に気付いている人が職場の中にいないようなので少しずつアプローチしていこうと考えていますが正直全くどうしていいかわからず困っているのが現状です…。
さらに言うと自分は20代後半組に入るので、むしろ敵視される存在であると思えます。


仕事への充実感は日に日に増すばかりです。
そして、職場の人間関係は日に日に悪くなっていきます。
実力主義になれば年齢を超えた仕事配分になるため日本にもこのような問題がこれからどんどん増えていくのではないでしょうか?
日本の従来の習慣と仕事場の環境がかけ離れていくなかで、この問題にうまく対応できる上司がどれだけいるのでしょうか?
そろそろ学校教育の時点で「社会人の現場にあった感覚」を教える必要があると思います。
つまり、日本で見られる意味のない先輩後輩関係を取り払い、自分の能力で勝負していくことを教える、ということです。
意味のないプライドは逆に人生を貧弱にさせます。
この問題が今後どういう火種を作るのか、何事もなく終わってくれるのかはわかりませんが解決への道を探っていきたいと思います。




22:48  |  特定派遣  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2009.11.18 (Wed)

事業仕分けのまとめ

今話題の「事業仕分け」が始まった時は正直なんのことかわかりませんでした。
でも始まった途端に凄い注目を浴びたのでこれを逃すわけにはいかないとちょっと勉強してみました。
ちなみにwikipediaでは下記のように記述されています。


国や自治体が行なっている事業を、
1.予算項目ごとに、
2.「そもそも」必要かどうか、必要ならばどこがやるか(官か民か、国か地方か)について、
3.外部の視点で、
4.公開の場において、
5.担当職員と議論して最終的に「不要」「民間」「国」「都道府県」「市町村」などに仕分けていく作業。


なんともわかりやすいですね〜。
さすがwikipedia!

ただ、これだけでは今民主党がやっていることが正しいのかどうかよくわからない。
最初の印象として「けっこういいんじゃないか!」と思いましたが、うわべっつらだけを見てると正しい姿が見えてこないものです。
そこでいつものようにネットで識者の意見を読みました。

池田信夫blog:事業仕分けという人民裁判

Joe's Lob:前進がいいけど、漸進でもかまわない
Joe's Lob:ルポ@事業仕分け

山内康一ブログ:事業仕分けの効用と限界


自分が特に参考になったと思ったもののリンクを貼っておきました。


今回の事業仕分けは大きく2つのポイントがあると思います。
1つ目のポイントはやはり前から言っている「財務省との連携」でしょうか。
脱官僚といいながら財務省とはむしろ今まで以上にタッグを組んでいることがよくわかります。
そうした中では「本当に変えなきゃいけない部分」というものが隠されているということです。
そんな中で財務省の手の内にありながら本当に改革できるのかということが問題でしょう。
2つ目のポイントは「判断基準がよくわからない」ということです。
バッサバッサと斬っていく様は爽快ではあるものの、よくわからないものが目立つことも確かです。
研究者としては「すぐに役に立つものは企業が研究してる、説明できない基礎研究が国の科学力を上げる」というのも正直なところです。
どんな研究も表に出て光を浴びるまで数十年かかります。
そんなものを企業が相手にしていたらいつまでたっても利益がでないので、そういう部分を公共の研究機関が担うべきですよね。
ただし、そういった基礎研究と企業を結びつける力が弱いという指摘も事実なので(例えばノーベル賞をとった田中耕一さんの技術でさえ利益としては海外企業にとられた)そこはもっと注力すべきだとは思いますが。
とにかく明確な「未来の日本像」を示すような判断基準を語ってほしいものです。
それは間違っても「友愛」なんてものではないですが…。



とここまで書いてきたもののやはり事業仕分けに自分は賛成です。
今回は時間がないなか、とにかく間に合わせるためにガツガツやっていったというのが実状なんじゃないでしょうか。
こういったことを「毎年」行うことで少しでも無駄を省き、さらには公にさらされることで透明度も増すでしょう。
さらによいことにこの機会に政治家が官僚のやることを勉強できる、ということも大きいのではないでしょうか。
来年は時間があるだろうから事前に行うことでじっくり精査して取り組めばさらによいものとなるでしょう。
なんだか「来年はやらない」なんてトンチンカンなことを首相が言っているようですが、毎年繰り替えすからこそ意味があるんであって今年だけならパフォーマンスと言われておしまいです。
これからはむしろ「与党になるための必須マニフェスト」にして欲しいぐらい。


「事業仕分け」が今後どうなっていくか注目です!
21:07  |  社会・政治  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2009.11.15 (Sun)

まやかしの救世主

今回は日本の働く女性代表、勝間さんの話です。
勝間さんといえば「カツマー」と言われるほどのファンがいたりと一時期かなりのムーブメントになりましたよね。
そのムーブメントが今でもあるのかはわかりませんが、本屋に行けば「勝間コーナー」なるものが大概どの店にもあったりします。
本もガンガン出てるしガンガン売れてるようで、自分も一冊読んだことがあります。
読んだのは「お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践」ってやつで、なるほどなぁと思ったものです。


しかし、最初はいい印象を持っていましたが何だかだんだんと雲行きが怪しくなっていきました。
本で書いてあることは確かに間違いじゃないんだけれど、その他の活動が増えていくに連れて違和感の方が強くなるわけです。
なんだか言葉にならないんだけど「何か違うな?」という漠然としたものです。
さらには本の発刊ペースも異常なくらい高まって「儲けれる時に儲けたれ!」というメッセージの方が強く感じるようになりました。
「儲けられるときに儲ける」って発想自体は別に悪くないと思うわけですが、なんだかいろんなことの矛盾を感じるわけです。


そんなもやもや感を池田信夫ブログでいっきに解決するエントリーがありました。

ルサンチマンの力

この中で非常にしっくりきた言葉がこれ

私の本は中身じゃなくてマーケティングなんです

私は経験的に確信しているが、「インセンティブ」としての「自己啓発」と「社会変革」とは、ふつうはまず両立しない。


勝間さん自信の割り切り、そして本の内容とその他の活動との矛盾が全てきれいに説明されており非常にすっきりしました!


さらに凄いのはこれらの話からニーチェの話に持っていくところですね。

これは社会的弱者が抱く恨みや劣等感のような屈折した感情で、それが社会への攻撃に向かうと共産主義のような運動になり、内側に向かうとキリスト教のような宗教になる。乱暴にいうと、キリスト教は貧しい人々のルサンチマンに偽りの救済を売り込む史上最大の自己啓発運動だ、というのが晩年のニーチェの主張だ。キリスト教の与える「人生の意味」は偽りだから、その神学をつきつめると「人生に意味はない」というニヒリズムにたどりつかざるをえない。

高校時代の授業でニーチェがでてきて「神は死んだ」という言葉を学んだ時から衝撃を受けて今でも非常に影響されています。
そのニーチェがキリスト教を批判した理由と今回の「カツマー現象」とのダブりを示したのはとても面白いですね。
キリスト教がそうであったように「カツマー」達は何も考えずに受け入れてしまっているのかと思うとちょっと悲しい感じもしますが…千年経っても人は変わらないということでしょう。
それ自身はもうどうしようもないのですが、その他の活動で言っている主張をそのまま信じたとしたら問題ですよね。
なんとか目を覚まして「あくまで本はビジネスでやってるんだ」ということに気付いて欲しいもんです。


自分はこれからも「神が死んだ世界」で生きていくつもりです。
本当の苦難をごまかす甘言はその甘言を言った人だけに得をするようになっています。
目をそらしちゃいけない事実に目を向けさせてくれる人、そういう人に自分はついていきたいです。
間違ってもカツマーになることはありません…。
そろそろ政治家のなかにもそんな人が出てきて欲しいけど…絶対当選しないだろうなぁ。
そこが日本、というより民としての限界なのかもしれませんね。
自分も1人の民ではあるけれど、とりあえず今のスタンスを守って行きたいと思います。
20:38  |  社会・政治  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2009.11.11 (Wed)

最近ニュースからの話題が多いですが…今日もニュースからです。


「キリスト教は排他的」民主・小沢氏、仏教会会長に


小沢氏は会談後、記者団に、会談でのやりとりについて、「キリスト教もイスラム教も排他的だ。排他的なキリスト教を背景とした文明は、欧米社会の行き詰まっている姿そのものだ。その点、仏教はあらゆるものを受け入れ、みんな仏になれるという度量の大きい宗教だ」などと述べたことを明らかにした。



なんか昔の自分と同じこと言ってるな〜と感じました。
昔の自分も愚かにも「キリスト教やイスラム教は一神教だからその他の考えを排除する傾向にある。だけど仏教には沢山の仏様がいるし、日本には貧乏神なんてもいるから色々な考えを受け入れられる」なんてこと言ってました。
だけど昔紹介した「テロと救済の原理主義」を読んでその間違いに気付いたわけです。


しかし、普通に考えたらあのレベルの政治家がそんなミスをするわけではないでしょう。
しっかりと政治的に考えどの発言が有利・不利かはしっかり考えているはず。
だから事実よりも「票に結びつく発言」をしたのではないかと思います。
普通に考えたら小沢さんが発言したようなことに対して反感をもつのはかなり少数派であり、日本においては問題のない発言となるはずです。
いや、ニュースに書いてあるようにむしろ有利になるからこそ反論されるリスクをとって発言したんだと思います。
相変わらず食えない人ですね…。


民主党は早く小沢さんが「政局より政策」になってくれないと当分方向転換はできないのではないでしょうか。
すっかり後ろにかくれてフィクサー的存在になった小沢さんを抜きに今の民主党は語れません。
だけど後ろにいるから責任からは逃れられるしなかなかいい立場になったな…。
この人に対抗できる政治家が民主党から現れることを願うのは不可能に近いように感じるので、とにかく「政局より政策」への転換をはかってくれるよう願わずにはいられません。
ただ、野党から与党を奪取したばかりの今はとにかく安定させることを第一にしているのかもしれましれませんね。
最近の迷走っぷりは各所から批判を浴びていますが、この先どうなっていくか注目です。
21:10  |  社会・政治  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑
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